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「公務員になりたいけれど、大学で開催されている学内講座にするか、大手の公務員予備校に通うか迷っている」
「それぞれの費用やメリット・デメリットを詳しく知りたい」
公務員試験の勉強を始めようと決意した大学生が、最初にして最大の壁にぶつかるのが「学習環境の選択」です。大学が主催する「公務員講座(学内講座)」と、TACやLEC、大原などの「公務員専門予備校(Wスクール)」には、それぞれ全く異なる特徴があります。
この記事では、両者の違いを費用、カリキュラムの質、面接対策の充実度、スケジュールの組みやすさなど、あらゆる角度から徹底的に比較検証します。あなたがどちらを選ぶべきかの「明確な答え」を導き出します。そのまま比較検討の資料としてご活用ください。
まずは、両者の全体像を把握するために、重要なポイントを比較表にまとめました。
| 比較項目 | 大学の公務員講座(学内講座) | 公務員専門予備校(Wスクール) |
|---|---|---|
| 費用の相場 | 約5万円〜15万円(非常に安い) | 約20万円〜40万円(高い) |
| 移動・通学 | なし(大学内で完結するため楽) | あり(予備校の校舎まで通う必要あり) |
| 講義の質 | 大学や提携先によりバラつきがある | 試験対策に特化したプロ講師で質が高い |
| 二次対策(面接) | 模擬面接の回数に制限があることが多い | 回数無制限、プロの面接官による徹底指導 |
| 情報量・データ | 限られている(学内の過去データのみ) | 全国規模の膨大な試験データと最新傾向 |
| 学習環境 | 大学の教室や図書館 | 個別の専用自習室が利用可能(集中しやすい) |
| サポート体制 | 窓口の時間が限られている | いつでも質問可能、メンタルサポートも充実 |
| 一緒に学ぶ仲間 | 同じ大学の友人、顔見知り | 他大学の学生や社会人など、本気のライバル |
この表からもわかるように、「圧倒的なコストパフォーマンスと利便性の大学講座」か、「高額だが合格までのフルサポートが約束された公務員予備校」か、という構図になります。ここからは、それぞれの詳細なメリットとデメリットを深掘りしていきましょう。
大学の公務員講座は、主に大学のキャリアセンター(就職支援課)や生活協同組合(生協)が主催し、放課後や空きコマに学内の教室を利用して行われます。
最大のメリットは、何と言っても受講料の安さです。公務員予備校に通えば30万円前後かかるコースが、大学の講座であれば5万円〜15万円程度で受講できるケースがほとんどです。大学側が受講料の一部を補助してくれたり、場所代がかからないため、この低価格が実現しています。「公務員にはなりたいが、どうしても金銭的な余裕がない」「親に高い予備校代を出してほしいと頼みづらい」という学生にとっては、非常に魅力的な選択肢です。
公務員予備校に通う場合、大学の授業が終わった後に電車に乗ってターミナル駅にある予備校まで移動しなければなりません。往復で1〜2時間かかる場合、1年間で膨大な時間を移動に費やすことになります。しかし学内講座なら、大学の授業が終わった後、そのまま別の教室に移動するだけで講義を受けられます。空きコマを活用した時間割が組まれていることも多く、ゼミやサークル、アルバイトとの両立がしやすいのが特徴です。
公務員試験の勉強は1年以上に及ぶ孤独な長距離走です。学内講座には同じ大学の学生しかいないため、友人同士で誘い合って受講したり、講座の中で新しい友人ができたりしやすい環境です。「今日の講義難しかったね」「一緒に図書館で復習しよう」と励まし合える仲間が身近にいることは、長期間のモチベーション維持において大きな支えとなります。
一見すると安くて便利な学内講座ですが、合格率やサポート体制の面でいくつかの落とし穴が存在します。
学内講座の講師は、予備校から派遣されてくるプロ講師の場合もあれば、大学の教授が担当する場合もあります。大学の教授は「学問のプロ」ではありますが、「公務員試験に合格させるプロ」ではありません。試験に出ないマニアックな学説まで詳しく解説してしまい、効率的な試験対策にならないケースが散見されます。また、予備校の派遣講師であっても、エース級の講師は予備校の校舎に配置されるため、学内講座には若手や経験の浅い講師が派遣されることもあります。
近年の公務員試験は「人物重視」へと大きくシフトしており、筆記試験よりも面接試験(二次試験・三次試験)の配点が高くなっています。公務員予備校では回数無制限で模擬面接を行ってくれますが、学内講座では「模擬面接は一人2回まで」「集団討論の練習は月に1回のみ」といった制限が設けられていることがほとんどです。面接対策が不足した結果、筆記試験は通ったのに面接で全落ちしてしまうという悲劇が起こりやすくなります。
学内講座は費用が安く、友人も多いため「なんとなく」で受講を始める学生が少なくありません。そのため、秋から冬にかけて講義の難易度が上がってくると、途中で来なくなる(ドロップアウトする)学生が続出します。周りの席がどんどん空席になっていく環境では、自分自身のモチベーションを保つのが非常に難しくなります。また、欠席した際のWebフォロー(録画視聴)のシステムが予備校ほど整っていないことも、挫折に拍車をかける原因となります。
次に、TAC、LEC東京リーガルマインド、資格の大原、東京アカデミーといった「公務員専門の予備校」に通うメリットを見ていきましょう。
公務員予備校の最大の価値は、長年のデータ蓄積に基づく「合格へのノウハウ」です。予備校の講師は、過去何十年分もの過去問を分析し、「どこが出題されやすいか」「どうすれば最短で解けるか」を熟知しています。また、予備校が独自に作成するオリジナルテキストや過去問集は、市販の参考書とは比べ物にならないほど解説が丁寧で、試験のトレンドを正確に反映しています。無駄な勉強を一切省き、効率よく得点力を伸ばすことができます。
予備校には、全国の受験生から集められた「面接の過去問データ(面接復元シート)」が大量に保管されています。「〇〇市役所の面接では、こんな質問がされた」「国家一般職の官庁訪問ではこういう雰囲気だった」という生きた情報を事前に手に入れられるのは、大手予備校ならではの特権です。さらに、プロの面接官による模擬面接、自己PRや志望動機の添削、集団討論の練習など、人物試験に対するサポートが徹底しています。この二次試験対策の差が、最終合格率の大きな差を生み出しています。
公務員予備校の校舎には、受講生専用の個別ブース型自習室が完備されています。家や大学の図書館では集中できないという人でも、予備校の自習室に行けば「周りが全員必死に勉強している」という緊張感の中で机に向かうことができます。他大学の学生や、仕事を辞めて背水の陣で挑んでいる社会人受験生など、本気のライバルたちの姿を見ることで、「自分も負けていられない」と基準値が引き上げられます。
大学の授業や体調不良で講義を休んでしまった場合でも、予備校なら高画質のWeb動画で後から何度でも見返すことができます。また、分からない問題があれば、常駐している講師やチューター(合格者の先輩)にいつでも質問できる環境が整っています。「分からない箇所を放置させない」仕組みが、予備校の高い合格実績を支えています。
圧倒的なサポートを誇る予備校ですが、当然ながら懸念すべき点も存在します。
最大のネックは費用の高さです。国家一般職や地方上級を目指すスタンダードな1年コースを受講する場合、入学金やテキスト代を含めるとおよそ25万円〜40万円の費用がかかります。これに加えて、予備校までの交通費も発生します。学生がアルバイトだけで賄うのは難しく、保護者の支援が必要になるケースが多いのが現実です。ただし、これを「一生ものの安定したキャリアを手に入れるための自己投資」と捉えることもできます。
予備校は大学のキャンパス外(主にターミナル駅)にあるため、通学の手間がかかります。大学の授業が終わった後に急いで電車に乗り、夜まで予備校で講義を受け、帰宅するのは深夜…というハードな生活が続くことになります。特に大学3年生の秋〜冬は、大学のゼミの課題や期末テストと予備校の重要科目のピークが重なるため、徹底した自己管理とタイムマネジメント能力が求められます。
ここからは、皆さんが特に気になる「費用」「サポート体制」「合格実績」の3つのポイントについて、さらに深く比較検証します。
学内講座の罠: 学内講座は初期費用こそ安いですが、「模試の受験料は別途」「直前対策講座は別料金」「テキスト代は実費」など、後から追加費用が発生する場合があります。
予備校の安心感: 予備校の「オールインワンコース」であれば、テキスト代、模試代(指定回数)、面接対策費用などがすべて最初から含まれていることが多く、結果的に予算の計画が立てやすいという側面があります。
学内講座の限界: 講師が大学に来る時間が限られているため、「講義の直後しか質問できない」「メールでの質問は返信が遅い」といった不満が生まれがちです。また、進路相談(どの自治体を受けるか等)に関しても、キャリアセンターの職員が公務員試験の最新事情に精通していない場合があります。
予備校の充実度: 予備校には「担任制」を敷いているところが多く、月に1回程度のペースでマンツーマンのカウンセリングを受けることができます。学習の進捗確認だけでなく、「この時期はみんな成績が伸び悩むから大丈夫」といったメンタル面のケアまで行ってくれます。
両者ともパンフレットに華々しい合格実績を掲載していますが、見方には注意が必要です。
学内講座の場合、「一次試験(筆記)の合格率」を大きくアピールしていることがあります。前述の通り、学内講座は面接対策が弱いため、「一次試験は通ったが、最終合格(内定)は少なかった」というケースが隠れていることがあります。
予備校の合格実績を見る際は、「最終合格者数」をチェックしてください。大手の予備校であれば、確かな最終合格の実績と、それに基づくノウハウが蓄積されています。
ここまでの比較を踏まえて、あなたがどちらの環境に向いているかをタイプ別に分類しました。
「予備校の質の高い授業を受けたいけれど、費用が高すぎるし、通学する時間もない」
そんな悩みを抱える学生の間で近年急速にシェアを伸ばしているのが、「オンラインに特化した通信講座(Web予備校)」です。
代表的なサービスに「スタディング(STUDYing)」「アガルートアカデミー」「クレアール」などがあります。
メリット: 校舎を持たないため、大手予備校と同等の質の高い講義が10万円〜20万円程度という格安で受講できます。スマホやタブレットでいつでもどこでも受講できるため、通学時間ゼロで大学との両立も容易です。
デメリット: 自習室がないため、自分で勉強場所を確保する必要があります。また、直接講師に会って面接指導を受けることができない(オンライン模擬面接などを活用することになる)ため、対面でのサポートを重視する人には不向きです。
「学内講座の安さ・手軽さ」と「予備校の質の高さ」の中間をいく選択肢として、オンライン通信講座もぜひ比較検討のテーブルに乗せてみてください。
Q1. 大学の公務員講座と独学で迷っています。
A1. 独学は教材費のみで済みますが、膨大な範囲から「どこが出題されるか」を自分で分析する必要があり、非常に非効率です。また、面接対策がほぼ不可能になります。最低でも大学の講座を利用するか、単科で予備校の面接対策コースを受講することをおすすめします。
Q2. 予備校に通い始めるベストな時期はいつですか?
A2. 大学3年生の春(4月〜5月)からスタートする「1年合格コース」が最も標準的で無理がありません。遅くとも大学3年生の秋(9月〜10月)までには勉強を開始しないと、講義の消化が間に合わなくなる可能性が高くなります。
Q3. 学内講座から途中で予備校に切り替えることはできますか?
A3. 可能ですが、費用の二重払いになってしまいますし、カリキュラムの進度が合わずに苦労することが多いです。最初からどちらかに絞って学習環境を整えるのがベストです。
「大学の公務員講座」と「公務員予備校」は、どちらか一方が絶対に正しいというものではありません。あなたの「予算」「目指す志望先(難易度)」「現在のライフスタイル」「自己管理能力」の4つの要素を天秤にかけて、最適な方を選ぶことが重要です。
公務員試験は、あなたの人生を左右する大きな挑戦です。「友達が受けるから」「安いから」といった安易な理由で決めるのではなく、予備校の無料パンフレットを取り寄せたり、大学の講座の説明会に参加したりして、自分の目でしっかりと比較検討してください。
最適な環境を選び抜き、正しい努力を継続すれば、必ず公務員への道は開けます。悔いのない選択をして、合格に向けて最高のスタートを切りましょう!