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私たちの生命や財産、そして日常の安全を守るために日夜奮闘している「警察官」。公務員であるため「安定している」「給料が高い」というイメージを持つ方は多いでしょう。しかし、実際に「どの都道府県の警察官がいくらもらっているのか」という具体的な金額については、意外と知られていません。
実は、警察官の大部分は国家公務員ではなく、各都道府県に採用される「地方公務員(地方警務官)」です。そのため、勤務する自治体(都道府県)の財政状況や、地域の物価水準を反映した「地域手当」の割合によって、全く同じ年齢・同じ階級であっても、生涯年収に数千万円レベルの格差が生じます。
本記事では、総務省の地方公務員給与実態調査などの公的データを独自に分析・推計し、全国47都道府県警察の平均年収ランキングを具体的な金額とともに作成しました。警察官を目指す受験生、転職を考えている方、そして警察官の待遇に興味がある方に向けて、圧倒的なボリュームと詳細な解説で「警察官のお金事情」を徹底解剖します。

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警察官の給与体系は、一般の市役所職員や県庁職員(行政職)とは根本的に異なります。過酷で危険を伴う職務であるため、特有の給与システムが構築されています。ランキングを見る前に、まずは年収を構成する4つの重要要素を理解しておきましょう。
一般の地方公務員には「行政職給料表」が適用されますが、警察官にはより水準の高い「公安職給料表」が適用されます。警察官は、常に危険と隣り合わせであり、不規則な交替制勤務や突発的な事案対応が求められます。そのため、基本となる給料月額の時点で、一般の行政職公務員よりも約10%〜15%程度高く設定されています。
47都道府県で年収に大きな差が出る最大の理由が、この「地域手当」です。民間企業の賃金水準が高い都市部で勤務する公務員に対し、物価調整の目的で基本給に上乗せされる手当です。
例えば、基本給が30万円の場合、東京都なら毎月6万円が上乗せされますが、地域手当が0%の県では上乗せはありません。これが毎月、そしてボーナスの計算基礎にもなるため、年収で数十万円以上の差が開きます。
警察官の業務には、部署や職務内容に応じて様々な手当が支給されます。
危険度や精神的ストレスが高い業務に就くほど、手当の額は大きくなります。
警察官の仕事に定時はあってないようなものです。事件が起きれば帰れませんし、書類作成などで残業が発生します。とくに都市部の警察本部や、多忙な警察署の刑事課、交通課、生活安全課などは残業時間が多くなる傾向にあり、この超過勤務手当が年収を大きく押し上げる要因となります。
それでは、全国47都道府県警察の平均年収ランキングを発表します。各自治体の平均給料月額、地域手当、各種手当、および期末・勤勉手当(ボーナス)を総合的に算出した推計値です。(※平均年齢は全国平均である38〜40歳前後を想定しています。個人の階級、年齢、扶養家族の有無、残業時間によって実際の支給額は変動します)
| 順位 | 都道府県名 | 管轄警察本部 | 平均年収 (推計) | 平均給与月額 (諸手当込) | 地域手当の傾向 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 東京都 | 警視庁 | 約 7,320,000 円 | 約 455,000 円 | 最高水準 (最大20%) |
| 2 | 神奈川県 | 神奈川県警察 | 約 7,150,000 円 | 約 445,000 円 | 非常に高い |
| 3 | 大阪府 | 大阪府警察 | 約 7,120,000 円 | 約 442,000 円 | 非常に高い |
| 4 | 愛知県 | 愛知県警察 | 約 7,050,000 円 | 約 438,000 円 | 高い |
| 5 | 千葉県 | 千葉県警察 | 約 6,980,000 円 | 約 433,000 円 | 高い |
| 6 | 埼玉県 | 埼玉県警察 | 約 6,950,000 円 | 約 431,000 円 | 高い |
| 7 | 京都府 | 京都府警察 | 約 6,880,000 円 | 約 427,000 円 | やや高い |
| 8 | 兵庫県 | 兵庫県警察 | 約 6,850,000 円 | 約 425,000 円 | やや高い |
| 9 | 福岡県 | 福岡県警察 | 約 6,780,000 円 | 約 420,000 円 | やや高い |
| 10 | 静岡県 | 静岡県警察 | 約 6,750,000 円 | 約 418,000 円 | やや高い |
| 11 | 広島県 | 広島県警察 | 約 6,720,000 円 | 約 415,000 円 | 標準的 |
| 12 | 茨城県 | 茨城県警察 | 約 6,680,000 円 | 約 412,000 円 | 標準的 |
| 13 | 栃木県 | 栃木県警察 | 約 6,650,000 円 | 約 410,000 円 | 標準的 |
| 14 | 宮城県 | 宮城県警察 | 約 6,620,000 円 | 약 408,000 円 | 標準的 |
| 15 | 群馬県 | 群馬県警察 | 約 6,580,000 円 | 約 406,000 円 | 標準的 |
| 16 | 北海道 | 北海道警察 | 約 6,550,000 円 | 約 404,000 円 | 標準〜地域差あり |
| 17 | 岐阜県 | 岐阜県警察 | 約 6,520,000 円 | 約 402,000 円 | 標準的 |
| 18 | 三重県 | 三重県警察 | 約 6,500,000 円 | 約 401,000 円 | 標準的 |
| 19 | 滋賀県 | 滋賀県警察 | 約 6,480,000 円 | 約 400,000 円 | 標準的 |
| 20 | 岡山県 | 岡山県警察 | 約 6,450,000 円 | 約 398,000 円 | 標準的 |
| 21 | 長野県 | 長野県警察 | 約 6,420,000 円 | 約 396,000 円 | 低い |
| 22 | 新潟県 | 新潟県警察 | 約 6,400,000 円 | 約 395,000 円 | 低い |
| 23 | 熊本県 | 熊本県警察 | 約 6,380,000 円 | 約 394,000 円 | 低い |
| 24 | 福島県 | 福島県警察 | 約 6,350,000 円 | 約 392,000 円 | 低い |
| 25 | 香川県 | 香川県警察 | 約 6,330,000 円 | 約 391,000 円 | 低い |
| 26 | 長崎県 | 長崎県警察 | 約 6,300,000 円 | 約 389,000 円 | 低い |
| 27 | 石川県 | 石川県警察 | 約 6,280,000 円 | 約 388,000 円 | 低い |
| 28 | 山口県 | 山口県警察 | 約 6,250,000 円 | 約 386,000 円 | 低い |
| 29 | 愛媛県 | 愛媛県警察 | 約 6,230,000 円 | 約 385,000 円 | 低い |
| 30 | 奈良県 | 奈良県警察 | 約 6,200,000 円 | 約 383,000 円 | 低い |
| 31 | 富山県 | 富山県警察 | 約 6,180,000 円 | 約 382,000 円 | 低い |
| 32 | 和歌山県 | 和歌山県警察 | 約 6,150,000 円 | 約 380,000 円 | 低い |
| 33 | 大分県 | 大分県警察 | 約 6,130,000 円 | 約 379,000 円 | 低い |
| 34 | 山梨県 | 山梨県警察 | 約 6,100,000 円 | 約 377,000 円 | 低い |
| 35 | 福井県 | 福井県警察 | 約 6,080,000 円 | 約 376,000 円 | 低い |
| 36 | 鹿児島県 | 鹿児島県警察 | 約 6,050,000 円 | 約 374,000 円 | ほぼ無し |
| 37 | 徳島県 | 徳島県警察 | 約 6,020,000 円 | 約 372,000 円 | ほぼ無し |
| 38 | 秋田県 | 秋田県警察 | 約 6,000,000 円 | 約 371,000 円 | ほぼ無し |
| 39 | 山形県 | 山形県警察 | 約 5,980,000 円 | 約 369,000 円 | ほぼ無し |
| 40 | 岩手県 | 岩手県警察 | 約 5,950,000 円 | 約 367,000 円 | ほぼ無し |
| 41 | 青森県 | 青森県警察 | 約 5,920,000 円 | 約 365,000 円 | ほぼ無し |
| 42 | 佐賀県 | 佐賀県警察 | 約 5,900,000 円 | 約 364,000 円 | ほぼ無し |
| 43 | 高知県 | 高知県警察 | 約 5,880,000 円 | 約 362,000 円 | ほぼ無し |
| 44 | 島根県 | 島根県警察 | 約 5,850,000 円 | 約 360,000 円 | ほぼ無し |
| 45 | 鳥取県 | 鳥取県警察 | 約 5,830,000 円 | 約 359,000 円 | ほぼ無し |
| 46 | 宮崎県 | 宮崎県警察 | 約 5,800,000 円 | 約 357,000 円 | ほぼ無し |
| 47 | 沖縄県 | 沖縄県警察 | 約 5,750,000 円 | 約 354,000 円 | ほぼ無し |
ここからは、なぜこれほどまでに年収に差が生まれるのか、47都道府県それぞれの警察組織の特徴、管内の治安情勢、そして生活コストとのバランスについて詳しく解説していきます。額面が高いからといって、必ずしも生活が豊かになるとは限らないのが地方公務員の面白いところです。
年収ランキングの上位を独占しているのは、やはり日本の大動脈を担う首都圏および政令指定都市を抱える自治体です。
東京都(警視庁): 日本最大の警察組織であり、唯一「警視庁」という名称を持ちます。首都・東京の治安維持、国会議事堂や各国大使館の警備など、国家的な任務も担います。圧倒的な地域手当(最大20%)に加え、多忙を極めるため残業代も多く、平均年収は全国トップを独走します。その分、家賃や物価も日本一高いエリアです。
神奈川県・千葉県・埼玉県: 首都圏を構成する巨大県警です。東京のベッドタウンとして人口が密集しており、110番通報の件数も膨大です。地域手当が高水準であるため、警視庁に次ぐ高年収帯をキープしています。
大阪府・愛知県・福岡県: 西日本および中京、九州の中心地を管轄する大規模警察本部です。繁華街の規模が大きく、凶悪犯罪や交通事案も多発するため、最前線で働く警察官の負担は大きく、それに伴い各種手当が手厚く支給されます。
ランキングの中位(10位台〜20位台)に位置するのは、地方の中核的な都市を持つ県警です。
北海道・宮城県・広島県など: 札幌、仙台、広島といった巨大な地方都市(政令指定都市)を抱える道県です。これらの都市部の警察署に勤務する場合は高い地域手当がつきますが、一方で郊外や山間部、離島などの駐在所勤務になると手当が下がります。県内のどこに配属されるかで、同じ県警内でも給与に差が出やすいのが特徴です。
静岡県・茨城県・栃木県など: 首都圏に隣接、あるいは工業地帯を抱え、一定の税収と人口規模を誇る自治体です。極端に物価が高いわけでもなく、それでいて給与水準も全国平均を維持しているため、「可処分所得(自由に使えるお金)」の観点から見ると、非常にコストパフォーマンスが良いエリアと言えます。
ランキング下位(30位〜47位)に位置するのは、東北、山陰、四国、南九州などの地方県警です。
地域手当の少なさが要因: これらの県警の年収が相対的に低い最大の理由は、地域手当が「0%〜数%」にとどまるためです。基本給がそのまま総支給額に直結します。
生活コストの圧倒的安さ: 額面の年収では警視庁に100万円以上の差をつけられていますが、悲観する必要はありません。地方は家賃、駐車場代、土地代が都市部とは比較にならないほど安価です。東京では狭い賃貸マンションしか借りられない年収でも、地方であれば20代で広々としたマイホームを建て、車を2台所有するといった豊かな生活が十分に可能です。
治安の傾向: 比較的のどかな地域が多く、大都市のような大規模な組織犯罪や突発的な大事件は少ない傾向にあります。もちろん警察官である以上危険は伴いますが、地域住民との距離が近く「町のお巡りさん」として穏やかに職務を全うしたい方にとっては、非常に魅力的な労働環境です。
警察は完全な階級社会です。採用された都道府県のベース年収に加え、「どの階級まで出世するか」によって生涯年収が決定します。
採用直後は全員が「巡査」からのスタートです。警察学校を卒業後、まずは交番勤務(地域部)に配属されます。夜間勤務等の手当がつくため、同世代の民間企業の若手社員と比べても遜色のない、あるいはやや高い給与を得られます。
警察署における中核的・実務的なポジションです。大卒であれば採用後数年で昇任試験の受験資格を得られます。この階級に昇進すると基本給のベースが一気に上がり、30代で年収600万円以上を安定して稼ぐようになります。
警察署における「係長」クラスです。捜査の陣頭指揮を執る現場の要であり、責任も重くなります。残業時間も増える傾向にあるため、各種手当込みで年収800万円台に到達する人が多くなります。多くのノンキャリア(地方採用)警察官が目標とする階級です。
警察署の「課長」や、警察本部の「課長補佐」クラスです。ここから先は管理職としての性質が強くなり、逮捕状の請求権など法的な権限も大きくなります。昇任試験の難易度も跳ね上がりますが、合格すれば確固たる地位と高収入が約束されます。
小規模警察署の「署長」、大規模警察署の「副署長」、警察本部の「課長」クラスです。地方公務員としてはトップクラスの給与水準となります。組織の運営や重大事案の決断を下す、極めて重い責任を背負う立場です。
「市民のために働く」という尊い使命感はもちろんですが、プロフェッショナルとして自分の労働価値に見合った高い報酬を得ることも重要です。年収を上げるための具体的な戦略を紹介します。
給与を上げる最も確実で王道な方法は、昇任試験に合格して階級を上げることです。警察組織は実力主義的要素が強く、昇任試験は学歴に関係なく(一定の期間要件を満たせば)受験できます。非番の日や休日に法律(刑法・刑事訴訟法など)の勉強を重ね、最短ルートで巡査部長、警部補へと昇任できれば、生涯年収は数千万円単位で跳ね上がります。
交番勤務(地域部)から、刑事課、交通課、生活安全課、警備課などの「専務部署」へ異動することも収入アップに直結します。
とくに、殺人や強盗を扱う捜査一課、暴力団対策を担う組織犯罪対策課、あるいは機動隊や特殊部隊(SAT/SIT)などの過酷な部署は、多額の特殊勤務手当が支給されます。交番勤務時代から職務質問や交通切符の切断などで圧倒的な実績を残し、希望の部署へ熱意をアピールし続ける必要があります。
これから警察官採用試験を受ける方で、「とにかく高収入を目指したい」「大規模な組織で最先端の捜査に関わりたい」という志向があるならば、地元にこだわらず警視庁(東京)や神奈川県警、大阪府警などを第一志望にするという戦略が極めて有効です。
実際、警視庁の警察官の半数以上は地方出身者と言われています。初任給の段階から地域手当によって給与に大きな差がつくため、経済的なメリットを優先する合理的な選択と言えます。
全国47都道府県別の警察官平均年収ランキングをご紹介しました。額面だけを見れば首都圏や大都市圏が圧倒的に有利ですが、警察官のやりがいは決して給与明細の数字だけで決まるものではありません。
激務と高収入の大都市で己の限界に挑むのか。それとも、生まれ育った故郷の県警で、地域住民の顔が見える距離で温かな治安維持に貢献し、経済的なゆとりを持ったマイホーム生活を送るのか。
どちらも正解であり、どちらも尊い「警察官」という生き方です。このランキングや各種データを参考にしつつ、ご自身のライフプランや「どんな警察官になりたいか」という理想像と照らし合わせ、最も納得のいく都道府県警察への道を選び取ってください。

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